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乳酸醗酵による保存食として有名なものには、スグキ漬けなどの漬物やヨーグルト、寿司の原型ともいわれるなれ寿司(イワシのなれ寿司・フナ寿司・鯖のなれ寿司・秋刀魚のなれ寿司・鯵のなれ寿司・鮎のなれ寿司)などがあります。これらの醗酵食品は、乳酸菌によって保存性を高めた伝統食品です。注目すべきはその保存性の高さです。南紀地方でよく作られて食される秋刀魚のなれ寿司は、漬け樽に漬け込んでから3ヶ月ほどで良い具合のなれ寿司になりますが、保存は10年以上とも言われ、30年もののなれ寿司なども時折リ見ることが出来ます。
またこれらの醗酵食品は、乳酸菌によってペーハー値を酸性化させて保存性を高めるとともに、乳酸醗酵によってビタミンCも生成させるため、ビタミン不足の予防効果もあります。日本だけでなく、肉や魚を塩漬けにする文化は世界各地に分布しており、塩に漬けることで乳酸醗酵が進み、本来は持ち合わせていないビタミン類を乳酸醗酵によって生み出してくれます。保存性を高めたうえ人々の健康増進に役立つ成分も付加されるのです。
変わった乳酸醗酵の例では、河豚の卵巣の糠漬けがあります。猛毒があり食べられなかった河豚の卵巣を糠漬けにして乳酸醗酵させることで、猛毒を無害にするだけでなく、美味しく頂けるようになります。このように奇跡的な化学変化を実現させるという驚きの威力も乳酸醗酵は持ち合わせています。
人類の歴史の始まりとともに人々の生活に寄り添い欠かせない乳酸菌。乳酸菌は食料を長期保存することで人々の生活を安定させてくれるだけでなく、身体に良い成分も付加してくれる本当にあり難い菌なのです。